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風姿花伝(ふうしかでん)

「花伝」とも。俗称「花伝書」は誤り。世阿弥(ぜあみ)の著した能の伝書。父観阿弥の遺訓をもとに,世阿弥が習道過程で発展させた考えを増補・整理した最初の世阿弥能楽論書。日本最古の演劇論書。生涯の稽古を7段階に説く「第一年来稽古」,9類型の物まねを説く「第二物学(ものまね)」,問答9カ条の「第三問答」,猿楽起源説「第四神儀」,十体論や大衆尊重論「(第五)奥義」,能作論「第六花修」,世阿弥能楽論の主題「花」の理論「第七別紙口伝」の7編。成立過程は複雑で,1400年(応永7)に第三までが書かれ,順次第四,奥義が加えられた。第六は別書,第七は第三までの口伝で,別々に相伝を意図して書かれ,そのつど増補・改訂が加わった。第六と第七は自筆本が伝存。18年元次相伝本が最終形態。「岩波文庫」「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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