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俳諧(はいかい)

誹諧とも。日本文芸の一ジャンル。古くは「古今集」に「誹諧歌」がみえるが,室町時代に「俳諧連歌」が盛んになり,宗鑑(そうかん)の俳諧撰集「犬筑波(いぬつくば)集」が成立。江戸時代にはいると連歌の従属的地位から独立した文芸となり,発句(ほっく)・連句をはじめ俳文・仮名詩・雑俳など俳諧文芸の総称となった。俳諧の展開は,江戸初期,貞徳(ていとく)の貞門俳諧に始まり,寛文~貞享頃に宗因(そういん)らの談林俳諧が流行,その自由・卑俗が喜ばれたが,元禄頃の芭蕉(ばしょう)(蕉風)は自然と日常生活のなかに風雅の詩境をきずいた。江戸後期には都市・農村にひろまるいっぽう,点取俳諧・雑俳などで低俗化したが,安永~天明期に蕪村(ぶそん)らの蕉風復帰をめざす天明俳諧が一時期を画した。しかし以後はいっそうの平俗化をまぬかれず,明治期に正岡子規(しき)がこれを月並調と攻撃し,写生を主張する俳句革新運動を起こし,連句を排して発句を近代俳句としてよみがえらせた。その後,自由律俳句,新興俳句運動などをへて,俳句は大衆化し,ブームをよんでいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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