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平曲(へいきょく)

平家琵琶・平語(へいご)とも。古くはたんに「平家」といった。「平家物語」を琵琶の伴奏で語る芸能。かつては盲人によって伝承された。鎌倉初期の成立らしいが,作者については藤原行長・生仏(しょうぶつ)合作説をはじめ諸説ある。14世紀に一方(いちかた)流・八坂(やさか)流にわかれ,一方流の明石覚一によって詞章や曲節が整えられ,続く100年間に最盛期を迎える。応仁の乱を境に衰退するが,江戸幕府の保護をうけ,一方流がわかれた前田・波多野の2流を中心に当道(とうどう)の表芸として伝承。当道外でも茶人や文人の間に愛好者を生み,譜本も発達。1871年(明治4)当道が廃止され,急速に衰えた。平曲で用いられる琵琶を平家琵琶という。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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