1. 用語
  2. 日本史 -か-
  3. 加賀国(かがのくに)

加賀国(かがのくに)

北陸道の国。現在の石川県南部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では江沼えの・能美のみ・加賀・石川の4郡からなる。823年(弘仁14)越前国から加賀・江沼の2郡が分置され,同時に加賀郡(のち河北郡)南部が石川郡に,江沼郡北部が能美郡としてわかれた。平安時代の国府は能美郡(現,小松市)におかれたと考えられる。国分寺には841年(承和8)勝興寺をあてた。国分尼寺は創建されなかったとされる。「和名抄」所載田数は1万3766町余。「延喜式」では調として絹・綾・帛など,庸は綿・米が主体。一宮は白山比咩(しらやまひめ)神社(現,白山市)で,白山信仰を背景に奈良時代以来,鎌倉時代末まで勢力をふるった。南北朝期以降,在地の富樫とがし氏が守護大名となり,守護所を現在の野々市町においたが,1488年(長享2)一向一揆により滅ぼされ,以後約1世紀の間,本願寺による一国支配が続いた。一向一揆の政庁は1546年(天文15)草創の御山御坊(金沢御堂。現,金沢市)であったが,1580年(天正8)柴田勝家により陥落した。近世は金沢藩とその支藩大聖寺藩領。1871年(明治4)の廃藩置県により金沢県となり,72年石川県と改称。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう