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棄捐令(きえんれい)

旗本・御家人層に対する札差(ふださし)の債権を破棄または軽減するため,江戸幕府が1789年(寛政元)9月に出した法令。札差は旗本・御家人層に知行米を担保とした高利金融を営み,天明末年には債権を増大させていた。寛政の改革において,米価・物価変動のなかで困窮した旗本・御家人層の救済が課題となり,棄捐令は(1)84年(天明4)以前の債権は無条件に破棄(棄捐),(2)85年以降の債権については,18%であった年利を6%に下げ年賦償還,(3)89年夏以降の債権は年利12%とする,などを内容とした。幕府は猿屋町貸金会所を新設し,打撃をうけた札差に対して無利息または低利の公金貸下げを実施,札差の金融を幕府の統制下においた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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