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郡家(ぐうけ)

「ぐんけ・こおりのみやけ」とも。古代の郡の役所。類似の語として郡衙(ぐんが)があるが,史料上の用例は10世紀以降。「続日本紀」などでは建郡を「某村に郡家を建つ」との表現が多く,郡家は文字どおり郡の中心だった。11世紀前半の「上野国交替実録帳」によれば,その構造は郡庁(政庁)・正倉・館・厨家(くりや)からなり,館には伝馬(てんま)をつないだと思われる厩屋が付属していた。発掘成果によれば,郡家遺構は7世紀末~8世紀初頭に出現し,2町(約220m)四方程度の範囲に先の諸施設が,塀や溝で区画されたブロックごとに配置されている。遺構の多くは10世紀には廃絶し,1030年(長元3)頃の「上野国交替実録帳」では郡家もすべて「無実」と記されている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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