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末法思想(まっぽうしそう)

釈迦の入滅後,仏教は釈迦在世時と同様に釈迦の教え(教),正しい実践(行),実践の結果としての悟り(証)の三つがそろった正法(しょうぼう)をへて,証を欠いた像法(ぞうほう)の時代,行と証を欠いた末法の時代へと衰退していくという思想。三時の長さは典拠によりさまざまで,釈迦入滅年も2説あるが,釈迦入滅を前949年,正・像各1000年として1052年(永承7)を入末法年とする説が広く信じられた。中国では僧団内の危機意識にすぎなかったが,日本では阿弥陀仏や弥勒菩薩の浄土信仰とあいまって社会的な広がりをもってさまざまに展開し,法然・親鸞・日蓮ら多くの僧侶が末法下の救済を模索して活発な宗教活動をくり広げた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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