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農業全書(のうぎょうぜんしょ)

農学的体系性をもつ近世農書。11巻。宮崎安貞(やすさだ)著。1697年(元禄10)刊。構成は,農事総論,五穀之類,菜之類,山野菜之類,三草之類,四木之類,菓木之類,諸木之類,生類養法,薬種類の10巻と,貝原楽軒(益軒の兄)が国政・藩政と農事のあり方を論じた農政論の付録1巻からなる。宮崎安貞は中国の「農政全書」を手本とし,諸国を巡歴して農業事情を見聞,筑前国周船寺でみずから農業に従事し,農業技術の改善と普及に尽力した。この成果を結集したもので,享保・天明・文化・安政・慶応・明治年間に再版され,全国各地に数多くの読者を獲得し,以後の農書や農政の展開に大きな影響を与えた。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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