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応安新式(おうあんしんしき)

連歌作法の式目。二条良基(よしもと)の制定。応安5年(1372)の奥書をもつが,さらに2度補訂され,2~3年後に完成。鎌倉時代以来,長連歌の一般化とともに共通の連歌規則すなわち式目が求められ,建治年間(1275~78)成立の建治の新式が指針とされるようになった。しかし,それによってさばききれない疑問点がふえたため,良基が「僻連抄」や「連理秘抄」の述作をへて,地下(じげ)連歌の実力者救済(きゅうぜい)らとはかり「応安新式」を定めた。内容は同じ表現のくり返しである輪廻(りんね)を嫌うことなど連歌の理念の提示や,百韻のなかで使用回数に限度がある語や近接を避ける語彙を列挙。後代の式目にも大枠として引きつがれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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