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御家騒動(おいえそうどう)

江戸時代の大名家(将軍家を含む)や旗本家に生じた内紛。家督相続争いや,政治経済上の利害をめぐっての権力抗争に端を発し,数十年にわたって長期化するものもある。初期の騒動は大名から独立した所領をもつ高禄家臣を大名権力のなかに包摂する過程で,後期は財政立直しのため藩政改革が断行される過程で生じることが多い。初期の騒動には幕府権力の強い介入があるのを特徴とし,池田騒動・生駒騒動・越後騒動は改易,黒田騒動・柳川一件・伊達騒動などは危うく改易を免れた。後期の例としては,加賀騒動・津軽騒動・お由羅(ゆら)騒動が有名。他に家臣が当主を押し込め隠居させる騒動もある。御家騒動は歌舞伎や文学作品の好題材となり,勧善懲悪,忠臣・逆臣などの儒教的評価が加えられた。第2次大戦前後には史実の考証的研究が進められ,近年は政治史の一分野として各騒動を歴史的に位置づける研究成果がみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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