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楽市・楽座(らくいち・らくざ)

楽市(場)であることを表す楽市文言で,楽市令の通称。15~16世紀に新しい地方市場,地方都市が民衆の手で各地に誕生するが,そのなかには,寺内町に代表されるような楽市場であるものがあった。楽市は,神仏が支配し俗権力が及ばない聖域で,「縁切り」の原理が貫いていた。楽市では,(1)住人の不輸不入権,自由通行権が認められていること,(2)楽座(無座)であること,(3)主人のもとから逃亡してきた奴隷や逃げこんだ犯罪人は解放されること,などが原則であった。九州の博多も当時楽津とされており,堺などの中世自由都市も,このような楽市的性格をもつ都市であったといえる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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