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世阿弥(ぜあみ)

生没 1363?~1443.8.8? 室町時代の能役者・能作者。観阿弥の子で2代観世大夫。弟に四郎がいる。幼名藤若(ふじわか)。通称三郎。実名元清(もときよ),法名至翁善芳。世阿・世阿弥は擬法名世阿弥陀仏の略称。12歳の年に今熊野(いまくまの)能で将軍足利義満に称賛され,以後寵愛をうける。父没後は観世大夫として,当時隆盛をきわめた田楽や近江猿楽の犬王(いぬおう)と競い,1399年(応永6)京一条竹ケ鼻勧進猿楽で名声を博した。犬王の影響をうけ,物まね本位から歌舞中心へと芸風を転じ,将軍義持の批判に堪えた。1429年(永享元)音阿弥を贔屓した義教(よしのり)が将軍になったのちは冷遇され,30年に次子の元能が出家,32年には長子の元雅が客死し,34年には自身が佐渡に流された。著述は「風姿花伝」「花鏡」など能楽論書21種,確認できる能作は50曲近い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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