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洋学(ようがく)

江戸時代に学ばれた西洋学術の総称。大航海時代にポルトガル・スペインなどからキリスト教とともに伝わった学術を蛮学とよんだ。鎖国後は宗教色の少ないオランダ系学術の移植・研究が行われ,蘭学とよばれて広く用いられた。洋学ははじめ蘭学と同じ意味に用いられたが,幕末・開港期にイギリス系・フランス系などの学術が移植・研究されると,蘭学の名称で包括することができなくなり,一般的名称になった。蛮学に続く蘭学の初期はオランダ語を通じて医学を中心に学ばれ,享保期の天文学・暦学をへて,田沼時代以降多方面に本格化した。18世紀後半から生じた北方問題を契機に,世界地理や地図の調査・研究が行われ,海外情報の収集・研究が進められた。アヘン戦争以降,ペリー来航に至る日本をめぐる国際情勢の変化にともない,兵学・築城学など軍事科学・技術の習得が盛んとなった。洋学の発達にともなって,封建制批判も芽ばえたが,幕政批判は弾圧され,以降の洋学は殖産興業・富国強兵にむかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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