結(ゆい)

共同や結合の意味を表し,とくに交換労働の慣行をさすことが多い。結返しの言葉があるように,かならず返す必要があると考えられている点で,共同作業である模合(もやい)とは異なる。結は労働力の等価交換が原則で,作業によっては牛馬1匹と人間2人などの交換もある。田植や稲刈など,季節内や年内など短い間に返す結と,屋根普請など数十年という長い期間で返せばよい結とがある。結をくむ相手は,隣近所の家,気のあった仲間,近隣組織,講仲間,親類などが一般的だが,ユイシュ(結い衆),エドシ(ユイ同士すなわちユイ仲間)など,親戚・姻戚関係を示す言葉としてユイの語を用いる地方があり,元来は族縁関係に発生した合力(ごうりき)と考えられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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