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アウストラロピテクス

Australopithecus アフリカからの出土で知られている約400万~100万年前の化石人類の一群,いわゆる猿人。通常,全7種以上が認められ,アウストラロピテクス属だけでなく,パラントロプス属などに分類されることもある。1924年に南アフリカのタウングで初めて発見されて以来,南アフリカの石灰岩地域と東アフリカ(タンザニア,ケニア,エチオピア)大地溝帯沿いの各遺跡から多くの人類化石が出土している。90年代には中央アフリカのチャドからも発見された。なかでも有名な猿人化石は「ルーシー」のあだ名で知られる320万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスの部分骨格標本であろう。これら猿人はサバンナに生息し,堅い食物に適応し,直立2足歩行を行っていた。種差は主に咀嚼(そしゃく)器の発達度合いにみられる。脳の大きさは類人猿なみで,道具使用も類人猿と同等程度であった可能性が高い。300万~200万年前の間に,アウストラロピテクスの一種からホモ属が出現したと考えられている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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