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チベット仏教(チベットぶっきょう)

nang pa'i chos インドと中国の仏教の影響を受けつつチベットにおいて成立した大乗仏教。13世紀にはモンゴル,17世紀には満洲に伝播し一大教圏を築いた。11世紀にインドの学僧アティシャが提唱した修行階梯にもとづき,11世紀以後サキャ派,カギュ派,ゲルク派などの宗派が成立した。これに対して,自派の起源を10世紀以前の古代王朝時代に帰する宗派をニンマ派(古派)と総称する。これらチベット仏教の四大宗派はそれぞれ世俗の勢力と結びついて政治力を持ったが,特にゲルク派はすべての仏教思想を体系化する思想とモンゴルの軍事力を背景にして,17世紀にチベットを統一した。1959年のチベット動乱に際してチベットの高僧が多数海外に亡命したため,現在は欧米人の信者も数多い。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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