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エチオピア

Ethiopia アフリカ北東部の国。住民構成は多様で,支配層を占める主要民族のセム語系アムハラ人,北部山塊地域のティグレ人などのキリスト教徒と,南部のクシ語系オロモ人やソマリア国境地域のソマリ人などムスリムが居住。伝承では前1000年頃シェバの女王とソロモン王の子,メネリク1世がエチオピア帝国を創始したとされる。19世紀にテオドロス2世やメネリク2世が富国強兵に努め,アドワの戦い(1896年)でイタリア進出をくじき独立を堅持。1923年国際連盟加入を果たし,ハイレ・セラシエ1世は旧弊な封建制を温存しつつ近代化を推進。エリトリアと52年に連邦を形成,62年に併合を強行し,93年の分離独立まで解放勢力と抗争が続いた。1974年社会主義革命で帝政が崩壊し軍政に移行。隣国ソマリアとは77~78年のオガデン紛争など武力衝突が絶えず,国内では87年民政移管後も,ティグレ人民解放戦線やオロモ人民解放戦線などの攻勢が激化し,91年首都アジス・アベバが陥落,連邦民主共和国が成立し地方分権が保障された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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