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フィリピン独立運動(フィリピンどくりつうんどう)

1889年にスペイン留学生グループが創刊した機関誌『団結』は,改良主義的なプロパガンダ運動を展開したが,当局は植民地支配の腐敗を厳しく批判したリサールを92年に流刑。同年発足した秘密結社カティプーナンは,民族独立をめざして96年に革命蜂起した。98年アメリカ‐スペイン戦争でアメリカは革命に介入,フィリピン‐アメリカ戦争(1899~1902年)で弾圧。独立運動はアメリカ統治期の植民地議会でも継続したが,植民地貿易の受益者となった議会エリートは対米協調と独立の両立をめざした。革命と民衆カトリシズムの文化的伝統を受け継ぐ民衆運動はこれに反発して散発的に蜂起したが,日本軍政下の圧政はむしろ国民の親米感情を強め,1946年フィリピン共和国はアメリカとの特殊関係を維持して発足した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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