イエス

前7/前4?~後30? キリスト教の始祖。ガリラヤのナザレの出身で,30歳頃バプテスマのヨハネの洗礼志願者として現れ,受洗後ガリラヤで「神の国は近づいた。悔改めて福音を信ぜよ」という新たな宣教を開始した。彼はモーセ律法を尊重するとともに,取税人,罪人を招き,安息日に病人を癒し,律法学者,パリサイ派と対立した。彼はペテロ,ヤコブ,ヨハネなどの12弟子を選んで,伝道活動を助けさせ,ユダヤ教の指導者層を批判した。彼を裏切ったイスカリオテのユダの手引きによってユダヤ人に捕えられ,ユダヤの評議会で大祭司の審問によって涜神(とくしん)罪と判決され,さらにローマのユダヤ総督ピラトにみずからメシアと称し,反乱を企てる者として訴えられ,十字架刑に処せられた。しかし3日後に彼が復活したとの信仰が弟子たちに生まれ,イエスこそメシアすなわち主キリストであるとの告白にもとづき原始キリスト教が成立した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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