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門戸開放政策(もんこかいほうせいさく)

Open Door Policy アメリカのヘイ国務長官が1899年と1900年の2度の通牒で表明した中国に関する政策の原則。他の列強より中国進出が遅れたアメリカは,中国における通商活動(のちに投資も含む)の障害を防ぐために,第1次通牒で列強の勢力圏の門戸開放と機会均等を主張した。ついで義和団事件を契機に列強が中国に出兵すると,第2次通牒で機会均等の適用範囲を全中国に拡大するとともに,中国の領土・行政の保全の原則をつけ加えた。列強がこれらの通牒に反対を表明しなかったことから,アメリカはその原則が受け入れられたものと主張,のちにそれは1922年ワシントン会議の九カ国条約で正式に多国間条約に組み込まれた。だが門戸開放政策は,特に満洲における特殊権益を主張する日本と対立する要素を含み,両国の関係悪化の一因となった。また門戸開放は,従来の植民地主義反対の理念を掲げながら勢力圏の拡大を図るアメリカの立場をよく示しているため,アメリカの中国だけでなく一般的な海外膨張政策を意味する用語ともなっている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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