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大蔵経(だいぞうきょう)

仏教聖典の総称で,『一切経』(いっさいきょう)『蔵経』『三蔵聖教』(さんぞうしょうぎょう)ともいう。漢訳された経(経典),律(戒律),論(論書)の三蔵に中国で著述された文献を加えて編纂された叢書に対する隋時代の呼称に由来する。高麗蔵海印寺(こうらいぞうかいいんじ)版(1236年),宋蔵(1239年),元蔵(1348年),明蔵(1420年)などがあり,日本では天海(てんかい)版(1624~44年),鉄眼(てつげん)版(1661~73年)が木版印行され,大正時代に『大正新脩(しんしゅう)大蔵経』100巻(1924年)が金属活字で出版された。漢訳以外の諸語の仏典コレクションにも「大蔵経」の呼称は適用され,パーリ語(タイ王室版ティピタカ,PTSローマ字版),チベット語訳(ナルタン版,デルゲ版,北京版,ラサ版ほか),モンゴル語訳,満洲語訳大蔵経の現存が知られている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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