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大セルビア主義(だいセルビアしゅぎ)

Velikosrpska ideja セルビア人が居住する全地域を統合しようとする政治思想。1830年にセルビアは自治を獲得し公国となったが,周辺に多数のセルビア人が居住していた。44年にセルビア公国の内相ガラシャニンは外交政策の基礎となる「ナチェルターニエ(指針)」を公表。これが大セルビア主義の基礎となった。「ナチェルターニエ」では,中世セルビア王国最盛期ドゥシャン王の時期の領域が想起され,ブルガリアと友好関係を維持しつつ,周辺のボスニア,ヘルツェゴヴィナ,モンテネグロ,アルバニア北部からなる新たな国家の建国がめざされた。さらに,ガラシャニンは南スラヴの統一を考え,ハプスブルク帝国のセルビア人居住地域であるダルマツィアや「軍政国境地帯」をも視野に入れて,外交活動を展開した。近代セルビア外交の基礎となる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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