1. 典礼問題(てんれいもんだい)

典礼問題(てんれいもんだい)

中国に布教するカトリック諸会派間の,教習慣と中国の礼俗をどの点まで妥協させうるかということに関する論争。イエズス会は,信徒に対して孔子の崇拝や祖先の祭祀を禁止せず,また中国人がおかしく思うような儀式,例えば洗礼の際に司祭が女性の膚に塗油することは行わなかった。しかし後から中国にきたフランチェスコ修道会,ドミニコ修道会,パリ海外伝道会などは,イエズス会のような布教方法は神への冒涜(ぼうとく)であるとして攻撃,その非をローマ教皇に訴えたので,論争は教皇庁にまで波及した。結局,教皇はイエズス会式の布教を非とし,逆に時の中国皇帝康熙(こうき)帝は,イエズス会式の布教をしない宣教師の入国を拒否。次の雍正(ようせい)帝は,キリスト教の布教を全面的に禁止するに至った(1724年)。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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