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ヴァイシャ

インドのヴァルナで第3位の庶民階級。古典ではヴァイシャの使命は布施と祭祀のほか,牧畜,農業,商業,金融に置かれた。ヴァイシャの語源であるヴィシュは,前期ヴェーダ時代には全アーリヤ人という意味で用いられていた。しかし階層分化が進んだ後期ヴェーダ時代にバラモンとクシャトリヤの祭司・統治者階層が成立すると,これらの両ヴァルナを経済的に支える身分としてヴァイシャのヴァルナは確立した。上位3ヴァルナからなる再生族の一員としてヴェーダの学習や祭祀を行うことが許される。4~7世紀になって,農業や牧畜の従事者はシュードラに属すると考えられるようになると,ヴァイシャは主に商人層をさすこととなった。今日では,主に商業カーストがヴァイシャを自称する。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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