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阿波国(あわのくに)

粟国とも。南海道の国。現在の徳島県。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では板野・阿波・美馬(みま)・三好・麻殖(おえ)・名方東(なかたひがし)(名東)・名方西(名西)・勝浦(かつら)・那賀の9郡からなる。国府・国分寺は名東郡(現,徳島市),国分尼寺は名西郡(現,石井町)におかれた。一宮は大麻比古(おおあさひこ)神社(現,鳴門市)。古代には畠作の割合が大きく,水田不足のため陸田も口分田として班給された。「和名抄」所載田数も3414町余と少ない。養蚕が盛んで,「延喜式」でも各種の糸・織物の貢進を規定。平安末期に那賀郡から海部(かいふ)郡が分立。鎌倉時代は小笠原氏,室町時代は細川氏が守護となり,戦国期には三好氏が支配した。1585年(天正13)長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)を降した豊臣秀吉は阿波国に蜂須賀正勝を封じ,蜂須賀氏の徳島藩が幕末まで続く。1871年(明治4)廃藩置県により徳島県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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