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ファシズム

イタリア語で団結を意味するファッシに由来し,ムッソリーニのファシスト党が1922年に政権を掌握して以後,ベルサイユ・ワシントン体制とコミンテルンに対抗し,指導者原理や直接行動的な大衆運動を形態的特徴とする類似の思想・運動・体制が一般にファシズムとよばれた。日本では北一輝(きたいっき)や陸軍青年将校運動など国家改造を掲げた思想や運動,あるいは国家総動員体制の構築をめざす運動,もしくは大政翼賛会成立後の政治・社会体制などをさして用いられる場合が多いが,ファシズムの概念そのものの定義や体制成立の指標が論者によって異なり,近年では昭和戦前期の日本政治分析にファシズムの概念を用いることに否定的な立場も有力である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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