元(げん)

モンゴル人が中国に建てた王朝(1271~1368)。チンギス・ハンが創建したモンゴル帝国が第5代フビライ・ハンのときに4大ハン国に分裂,世祖フビライは都をカラコルムから大都(現,北京)に移し,国号を大元とした。1279年南宋を滅ぼし,各地に遠征してモンゴリア・中国本土・中国東北地方などを支配,チベット・朝鮮を属国とした。1274年(文永11)と81年(弘安4)の2度日本に侵攻したが失敗した(元寇)。ハン位をめぐる抗争や交鈔(こうしょう)(紙幣)乱発による社会不安の増大に加え,1351年白蓮(びゃくれん)教などの指導による紅巾(こうきん)の反乱がおこり,68年明の太祖朱元璋(しゅげんしょう)によって中国本土から追いはらわれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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