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公案(こうあん)

禅の問答,または問題。本来は官庁の調書・案件を意味する言葉だが,師が弟子を試し,または評価する意味の禅語となる。具体的には,祖師の言葉・言句・問答などをさす。禅の問答は,時と所を異にして第三者のコメントがつくのがふつうで,はじめになにも答えられなかった僧にかわる代語や,答えても不十分なものには別の立場から答えてみせる別語など,第2次・第3次の問答をうみだした。最初の問答を本則または古則・話頭・話則として,参禅工夫する禅を公案禅または看話(かんな)禅という。古則を集めた挙古,韻文の頌をつける頌古(じゅこ),散文のコメントを集めた拈古(ねんこ)など公案集が編纂され,「碧巌録」「無門関」は,それらの代表的著作。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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