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町飛脚(まちひきゃく)

近世,書状や荷物を運送する民間の飛脚業。はじめは不定期だったが,需要増により定期的な営業となり,専業の商売として発展した。三度飛脚のように幕府役人の書状・小荷物の配送にもあたったり,藩の公用書状逓送を引きうけるものもあった。大坂の三度飛脚,江戸の定飛脚,京都の順番飛脚が代表的な町飛脚だが,商品経済の発達により各地を結ぶ通信・運送需要が増加したため,各地にうまれた。扱う物により,金銭を扱う金飛脚,商品の縮緬を扱う縮緬飛脚,米価情報を提供する米飛脚なども出現した。江戸内を対象として風鈴を下げて書状配送を行う「チリンチリンの町飛脚」とよばれた江戸町飛脚(便屋(たよりや))もあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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