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虫送り(むしおくり)

おもに稲に虫害をおよぼす悪霊を地区から追い払うための共同の呪術的な儀礼。稲がかなり生育した夏の害虫発生時に臨時的に行われることが多い。数匹の稲虫を藁苞(わらづと)にいれたり桟俵(さんだわら)にのせ,御幣をたて,松明(たいまつ)を先頭に鉦(かね)・太鼓を打ちながら地区内の田を回り,地区境でこれを焼くか川・海に流す。斎藤実盛の御霊(ごりょう)がイナゴと化して害をもたらすといって実盛人形を作り,これを担いで地区内をはやしつつ練り,地区外に送るところでは「実盛さん」という風流(ふりゅう)となっている例もある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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