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武蔵七党(むさししちとう)

平安後期,武蔵国内に成立した中小武士団の総称。七党は室町時代以後の美称で,鎌倉時代は「武蔵の党々」などとよばれ,七つに固定したものではない。猪俣(いのまた)・児玉・横山・丹(たん)・野与(のよ)・村山・私市(きさい)・西・綴(つづき)などの武士団があり,これらの党は郷地頭クラスの武士が1郡から数郡規模でゆるやかに結合し,勧農などの地域開発や祭祀,軍事行動をともにした。後世に作られた「武蔵七党系図」は,それぞれの党が同一始祖から分岐派生した同族集団であることを強調しているが,実際は多様な氏族が婚姻を介して地域的に結合したもの。14世紀以後,高(こう)氏・上杉氏らによる支配が浸透し,南北の武蔵白旗(しらはた)一揆に再編された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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