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内閣(ないかく)

近代における国家の最高行政機関。1873年(明治6)の太政官職制で国政の中枢となる参議の合議体を内閣と呼称。85年12月,行政府の強化・能率化をめざして太政官制を廃止し内閣制度を確立した。外務・内務・大蔵・陸軍・海軍・司法・文部・農商務・逓信の諸省の長官である各国務大臣とそれを統轄する内閣総理大臣により内閣を構成。初代の伊藤内閣の成立と同時に,内閣職権で総理大臣の統制権を規定した。89年の大日本帝国憲法では各大臣の天皇への輔弼(ほひつ)責任が明文化されたが,議会への責任は不明確であった。同年内閣官制が制定され,法律案・予算決算案・条約案など重要案件はかならず閣議をへることが定められた。議会開設当初は藩閥政治家が「超然内閣」を組織し,98年の憲政党の大隈内閣が最初の政党内閣である。第1次大戦後,1920年代には政党内閣が「憲政の常道」となったが,32年(昭和7)以後政党内閣は没落し,軍部が影響力を強めた。第2次大戦後の47年5月,日本国憲法と内閣法の施行の結果,国家の最高行政機関としての内閣の地位が明確になり,議院内閣制が採用され,国会に対する内閣の連帯責任制も明らかにされた。以後,政党内閣が続いている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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