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サン・フェリペ号事件(サン・フェリペごうじけん)

1596年(慶長元)スペイン船サン・フェリペ号が土佐国に漂着した事件。同船は同年7月フィリピンのルソンからノビスパン(メキシコ)へ向かったが,途中,暴風雨のため長宗我部(ちょうそかべ)氏領の土佐国浦戸に入港。事件は豊臣秀吉に報じられ,同船の積荷と乗組員の財産はすべて没収。乗組員のなかに,スペイン人はまずキリスト教の布教によって住民を教化し,のちに軍隊を派遣してその土地を植民地化すると吹聴した者がいたという。このため秀吉は疑念をいだき,二十六聖人の殉教の発端となった。同船は翌年マニラに戻り,没収品返還・殉教宣教師遺物引渡しの交渉を行った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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