1. 摂津国(せっつのくに)

摂津国(せっつのくに)

畿内の国。現在の大阪府北部と兵庫県東部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では住吉・百済(くだら)・東成(ひんがしなり)・西成(にしなり)・島上(しまのかみ)・島下・豊島(てしま)・能勢(のせ)・河辺(かわのべ)・武庫(むこ)・兎原(うはら)・八部(やたべ)・有馬の13郡からなる。国府は難波京内にあったらしいが,805年(延暦24)江頭に移り,844年(承和11)鴻臚館(こうろかん)が転用された。国分寺は東成郡(現,大阪市東部)におかれた。一宮は住吉大社(現,大阪市住吉区)。「和名抄」所載田数は1万2525町余。「延喜式」では調は銭のほか薦・櫃・笥・坏など。古代には難波津・難波宮を中心に政治経済上の要地で,令制では摂津職がおかれ津国(摂津国)を管した。793年(延暦12)摂津職が廃され,国司の管下におかれた。西日本の物資流通路の要衝であるため,南北朝期以降,当地の支配権をめぐり混乱が続いた。16世紀に石山本願寺と寺内町が発達。のち豊臣秀吉が大坂城を建設した。江戸時代は幕領として大坂城代・大坂町奉行がおかれ,高槻藩などの藩領,旗本領,他国大名領,公家領,寺社領が入り組んでいる。明治初年の動きは複雑であったが,1871年(明治4)川辺・武庫・菟原・有馬4郡が兵庫県,残りの郡が大阪府に属した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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