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築地(ついじ)

築地塀・築垣(ついがき)とも。粘土を築いてつくった塀で,上に屋根を葺(ふ)いたもの。古代の宮殿や寺院では,版築(はんちく)技法で粘土を下から突き固めて瓦葺(かわらぶき)にしたが,住宅では木の板を芯(しん)にしてその表面に粘土を塗り重ね,屋根も板葺が一般的。近世に瓦が大量に供給されると,住宅の築地も瓦葺になった。表面に漆喰(しっくい)を塗るようになるのも後のことで,中世までの住宅では門の両脇だけ漆喰を塗り,これを脇壁とよんだ。現存最古のものに,法隆寺西院大垣・同子院築垣がある。通常,壁面に堰板(せきいた)の木目が縞状に現れ,須柱(すばしら)(寄柱)を添えた例も多い。なお,御所や門跡寺院では築地表面に横筋をいれた筋塀を用いるが,その由緒は不明。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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