1. アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく)

アメリカ合衆国(アメリカがっしゅうこく)

United States of America イギリス領北アメリカ13植民地が1776年独立を宣言して形成した連邦国家。最初は13州で構成されたが,西方領土に人口が増加するにつれ新しい州がつくられ,現在はハワイ,アラスカを含め50州ある。独立当初は共和国(州)の連合であったが,89年に合衆国憲法にもとづく政府が発足し,連邦共和国の体制が整った。独立後,人民主権の原則のもとで政治の民主化が進んだが,その反面,南部ではアフリカ人を奴隷とする制度が存続し,西方に拡大した。アメリカは独立戦争の講和に際してミシシッピ川を西境とする領土を獲得し,さらに19世紀半ばまでに太平洋岸にまで領土を広げた。19世紀半ば奴隷制の正統性をめぐる南北の対立が激化し,ついに1861年南部諸州が合衆国から脱退を企て南北戦争が始まった。4年に及ぶ内戦ののち,合衆国(北部側)が勝利を収め,奴隷制は廃止され,合衆国の統一が確保された。ヨーロッパ移民の流入に促された人口増加と内陸交通の発達とにより,国内に大市場が形成され産業が急速に発展したので,80年代にはアメリカは農業と工業の双方で世界第1の生産力を持つ国になった。その頃までには西部開拓時代は終わり,先住民諸部族は指定された保留地での生活を余儀なくされた。アメリカは20世紀前半,大量生産による消費の大衆化を実現し,さらに1930年代の経済不況の後は政府の経済運営と社会保障とにおける役割を強めることにより,大企業資本主義と民主主義との結合に成功した。アメリカは19世紀には安全への脅威がなく領土拡大も容易に達成されたので,国際情勢への関心は限られていたが,20世紀にはしだいに世界政治への関与に積極的になった。30年代に一時強固な孤立主義に後退したが,第二次世界大戦勃発後は再び世界政治への関与を深め,41年に参戦して戦争の終結と戦後秩序の構築に主導的な役割を果たし,それ以来,世界の中心国として行動してきた。大戦後アメリカは奴隷制度以来の人種差別を除去することに努め,移民受容における人種差別も廃止したため,国民の人種民族構成は近年ますます多様化している。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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