1. 中東戦争(ちゅうとうせんそう)

中東戦争(ちゅうとうせんそう)

・〔第1次〕1948年にイスラエルが独立宣言をしたことに反対し,アラブ諸国がパレスチナに進撃したことから始まる。イスラエルにとっては独立戦争,アラブ側はパレスチナ戦争と呼ぶ。アラブ‐イスラエル戦争とも呼ばれる。翌年休戦したが,これによってパレスチナの約80%がイスラエル領になり,パレスチナ難民が発生した。・〔第2次〕スエズ戦争ともいう。エジプトは1952年の革命後,経済的自立をめざしてアスワン・ハイダム計画などを推進していた。56年7月,アメリカが同ダム建設援助を撤回したことに対し,ナセル大統領はスエズ運河国有化を宣言した。運河の国際管理案で失敗した英仏はイスラエルの突然のエジプト侵攻(10月29日)に続いてスエズ地区に出兵した。国連緊急総会は即時停戦を決議し,ソ連は英仏にミサイルで報復すると警告するなど,国際世論に押されたイギリス,フランス,イスラエルはエジプト侵略を断念し,57年3月までに撤兵した。スエズ運河はエジプトの国有化のもとで運営されることになった。・〔第3次〕1967年6月イスラエルが電撃的にエジプト,シリアなどを攻撃,短期間でアラブ側を撃破した。イスラエルはこの戦争を六日戦争と呼び,アラブ側は六月戦争と呼ぶ。イスラエルはこれによりヨルダン川西岸,シナイ半島,ゴラン高原などを占領した。イスラエルの撤退を含む国連安保理決議242が採択される。・〔第4次〕エジプト,シリアが1973年,イスラエルに進軍して開戦,軍事的にはイスラエルの有利に終わる。アラブでは10月戦争,ラマダーン戦争と呼び,イスラエルではヨーム・キップール戦争と呼ぶ。同年末にアラブ産油国がイスラエル支持国に石油を売却しないという石油戦略を発動したため,世界中で石油危機が起こった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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