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チェコ人(チェコじん)

中央ヨーロッパのチェコ共和国における主要民族。言語は西スラヴ系チェコ語。今日のチェコは歴史上ボヘミア王国,モラヴィア辺境伯領,シュレージエン公国から構成されたが,主要都市プラハを有する西部のボヘミアが一貫して政治,経済,文化面で主導権を握っていた。10世紀にキリスト教を受容したプシェミスル朝のもとで民族的に統合される。14世紀以降,ボヘミア王国がルクセンブルク家のもとで神聖ローマ帝国の中心地になり,民族的な地位が上昇すると,国策で大量に入植してきたドイツ人と争いが顕在化してきた。14世紀末のフスの宗教改革運動は民族的な対立にも拍車をかけ,17世紀前半にハプスブルク朝統治下のチェコで勃発した三十年戦争で民族性の喪失の危機に見舞われた。18世紀後半の産業の発達は,西欧との経済的・文化的接触を密にさせ,啓蒙主義,ロマン主義の受容によって民族再生運動が起こり,19世紀半ばにはオーストリア帝国内のスラヴ統一運動の先頭に立つ。1918年にスロヴァキア人とともに建国したチェコスロヴァキアで主導権を得る。93年から独立国家を形成。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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