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府兵制(ふへいせい)

西魏に始まり隋唐で整備された兵農一致の制度。もと軍府に属する兵の意味で,北魏では鮮卑(せんぴ)の兵を主力としたが,西魏の宇文泰(うぶんたい)は漢人農民を徴集して「二十四軍」を編成し,中央の十二衛に上番させた。これらは特別の兵籍にのせられていたが,隋代に兵籍,民籍の区別を廃し,徴集母体を一般民戸に及ぼし,唐はこれを受け継いだ。唐では全国に折衝府(せっしょうふ)を置き,丁男中から府兵を選んで課役を免じ,農閑期に訓練し,兵士は兵器を自弁して,1年ないし1年半に1~2回,衛士(えいし)として国都に上番し,在役年齢中に3年間,防人として辺境の守備にあたった。この制度は均田制崩壊による農民の没落,外民族の活動激化に伴う募兵制の発達により衰え,749年廃止された。府兵制は変形しながら朝鮮,日本でも行われた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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