1. 用語
  2. 世界史 -ふ-
  3. フェリペ2世(フェリペにせい)

フェリペ2世(フェリペにせい)

Felipe ・ 1527~98(在位スペイン王1556~98,ポルトガル王1581~98) スペイン王。ポルトガル王としてはフェリペ1世。カルロス1世の子で,カトリック的教育を受ける。1554年にはイギリスのメアリ女王(1世)と結婚。56年,父の退位によりスペイン,ナポリ王国,ミラノ公国,ネーデルラント,アメリカ大陸を含む大領土を継承。80年にはポルトガルを併せ「太陽の沈まぬ国」の王として君臨した。植民地政策ではフィリピン支配を確立し,レパントの海戦でオスマン帝国を破ったが,産業的基礎を欠くその国家財政は,あいつぐ増税にもかかわらず不安定をきわめた。また王自身の厳格なカトリック信仰を反映した宗教的不寛容政策は,北ネーデルラント(オランダ)の独立戦争を誘発した。この意味で,その治世はスペイン絶対王政絶頂期にありながら,その後の国力衰退への前徴を示していたともいえる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう