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フィレンツェ派(フィレンツェは)

Scuola Fiorentina イタリア,トスカーナ地方のフィレンツェを中心に13世紀から16世紀にかけて活躍した芸術家たちの総称。ルネサンス美術の発展に指導的な役割を果たした。ルネサンス様式を規定したヴァザーリの『美術家列伝』冒頭に置かれたチマブーエを創始者とし,弟子ジオットにより造形伝統が確立された。15世紀初頭には建築家ブルネレスキ,彫刻家ドナテッロ,画家マザッチオによって初期ルネサンスの開花をみ,フラ・アンジェリコ,ヴェロッキオ,ボッティチェリら優れた画家を輩出した。16世紀にはレオナルド・ダ・ヴィンチ,ミケランジェロ,ラファエロらによって盛期ルネサンスが,ついでデル・サルト,ポントルモ,ブロンツィーノらによって後期ルネサンス(マニエリスム様式の時代)が展開した。特に絵画においては,遠近法および明暗法などの新しい技法に支えられた構築的な画面構成,人文主義者たちとの緊密な交流から構想された知的主題,高度に洗練された描線による理想的形態表現を特色とする。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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