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バクトリア

Bactria 中央アジアのアム川流域のバクトラ(現バルフ)を中心とする古地名。アレクサンドロス大王の東征後,ギリシア人が住みつき,前250年頃太守ディオドトスがセレウコス朝から独立して王国を建設した。バクトリア王国の遺物は銀貨を除いて長らく知られなかったが,1965年,フランス考古調査隊がアム川とコクチャ川合流点でアイハヌム都市遺跡を発掘し,宮殿,神殿,半円形劇場など当時のギリシア人植民市の全貌を明らかにした。それらのギリシア人諸都市は遊牧民族の大月氏(だいげつし)の侵入を受けて滅亡し(前145年頃),ヘレニズム文化は滅んだ。しかしギリシア文字は土着バクトリア語(東イラン語)を記す文字となり,碑文,文書に8世紀まで使用された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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