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ゲルマン法(ゲルマンほう)

ゲルマン民族の法。ドイツ,イギリスの法学,歴史学上の概念。フランク期のゲルマン諸部族法のほか,封建社会期におけるドイツの法書(『ザクセンシュピーゲル』)や判告集(ヴァイステューマー),フランス各地の慣習法書などをも含め,ローマ法とともに近代西欧諸国法の二大源流とされる。しかし封建社会期の農村法,都市法や近代市民法が地縁的経済組織体(農村・都市共同体,近代国家)に立脚して領域的強制力を有するのに対し,ゲルマン部族法は牧畜経済社会の人的結合団体の法として領域性,物理的強制権を伴わず,両者は本来的に異質であるから,厳密にはゲルマン部族法のみに限定すべきである。北・東・西ゲルマン法に分かれるが,とりわけ西ゲルマン法(フランクのサリカ法その他)が重要。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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