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魏晋南北朝(ぎしんなんぼくちょう)

220年漢が滅んでから,589年隋が陳を併せて天下を統一するまで360余年間の時代を総称する。この時代をさらに区分すると,(1)三国時代=魏,呉,蜀(しょく)が鼎立した時代,(2)西晋の統一時代,(3)東晋,五胡十六国時代=江南の東晋と華北の五胡十六国が対立した時代,(4)南北朝時代=江南で宋,斉,梁(りょう),陳が交替し,華北では北魏の統一をへて,東魏,北斉と西魏,北周が対立し,北周に統一され,隋に受け継がれた時代に分かれる。江南で興亡した呉,晋,宋,斉,梁,陳の6王朝を数えて,全体を六朝(りくちょう)時代と呼ぶこともある。この時代は中国では珍しく分裂の続いた時代で,地方の豪族,中央の門閥貴族の勢力が強く,王朝の権力は一般に弱かったが,前代の漢文化の影響と匈奴(きょうど)の分裂の結果,諸民族の活動が盛んとなった。中国には五胡が侵入したほか,朝鮮に高句麗が入り,百済,新羅の国家がつくられ,華北を五胡に占領された漢族は江南の開発を進めるなど,分裂の反面に東アジアの歴史的世界が拡大した。そして五胡諸民族は華北の混乱を助長した反面,北朝における国家権力の強化をもたらし,次の隋・唐統一の前提をつくった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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