1. オアシス都市国家(オアシスとしこっか)

オアシス都市国家(オアシスとしこっか)

Oasis アフロ・ユーラシア大陸の乾燥砂漠地帯で,紀元はるか以前からオアシス農業と交易で成り立った都市国家。城郭都市を中核に持ち,交通路上の要衝として栄えた。ことに内陸アジアでは,東西交流および遊牧社会との結節点として史上に欠かせない社会単位であり,マー・ワラー・アンナフル地域やアム川,シル川の中・上流域に比較的大規模なものが形成された。また天山南路のタリム盆地周縁を数珠(じゅず)状につなぐ典型的な都市国家群は漢代から記録され,現在まで重要なオアシス都市となっているものがほとんどである。これらはそれぞれ孤立しがちであると同時に,近隣オアシスと政治的に離合集散し,またそこに集積される富や物資と,相互をつなぐルートは遊牧勢力および遠隔の大国家のねらうところともなった。そのため支配者は変転することが多く,その自然環境の制約によりみずから広領域国家に拡大する契機は少なかった。しかし,多くの種類の宗教,言語,文字や物質文化の伝播と変容の拠点として果たした役割はきわめて大きかった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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