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リアリズム

realism 現実主義。哲学・芸術上では,現実的(realis)であることを重んずることを意味するが,何を真実とみるかによってその内容は異なる。哲学上では認識の問題として,なんらかの意味で意識から独立した実在を認める立場をいう(実在論)。文芸上では特に19世紀後半フランスに始まる写実主義をいい,ここではロマン主義に対して自然や人生の現実をありのままにみようとするが,やがて人間と社会生活を自然科学的方法で解剖しようとするに至った(自然主義)。他方また,現実の直視が民主主義的な意味を持つことを強調する社会主義リアリズムが成立する。美術上では文学よりも広義に理解されるが,歴史的流派としてはクールベ,ムニエらをさしていう。また,国際政治学では,第一次世界大戦後,平和を実現するためには国際法や国際機構の整備・充実をはかればよいとの考え方(理想主義,ユートピアニズム)が支配的であったが,第二次世界大戦後は国際政治をアナーキー的状況ととらえ,自国の安全を保障するにはパワー(権力)に依存するしかないとする考え方が強まった。これも現実主義という。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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