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辛亥革命(しんがいかくめい)

清朝を倒し,中華民国を樹立した共和主義革命。1911年(辛亥)10月10日の武昌蜂起が発端になったので辛亥革命という。日清戦争,義和団事件による外国の侵略と,内乱によって動揺した支配体制を再建するため,清朝はみずから新政運動を起こし,立憲君主制の採用をはじめとする諸制度の改革に着手した。09年には地方議会(諮議局(しぎきょく))を設置し,翌年には国会(資政院)を開設した。これまで地方で新政運動を推進してきた郷紳(きょうしん)層や民族資本家などを中心とする立憲派は,諮議局によって勢力を結集し,清朝に対抗する傾向を強めた。また孫文,黄興(こうこう)などの革命派は,新軍や会党に対する工作を進めていた。清朝が外国から借款を得るために,11年5月川漢(せんかん),粤漢(えつかん)両鉄道の建設を外国借款団に委ねると,湖南,湖北,広東,四川で,これに対する反対運動が起こった。四川の暴動についで,武昌で革命派が蜂起し,新軍の旅団長黎元洪(れいげんこう)を擁して独立した。これに呼応して各省の革命派が蜂起し,1カ月のうちにほとんどの省が独立した。各省代表は南京に集まり,12年1月,孫文を臨時大総統に臨時政府をつくり,中華民国を成立させた。清朝は袁世凱(えんせいがい)を起用して革命の弾圧を図ったが,袁世凱は革命政府と通じて清帝を退位させ(2月12日),孫文に代わって中華民国大総統に就任した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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