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周(しゅう)

Zhou ・西周・東周?~前256殷(いん)のあとを継いだ中国古代の王朝。周族はもと陝西(せんせい)北部,山西方面にいた遊牧民らしく,のち渭水(いすい)盆地に農耕定住して殷の支配を受けた。前11世紀頃文王のとき殷と対立し,その子武王は殷の紂王(ちゅうおう)を滅ぼし,鎬京(こうけい)を都とした。周は殷の文化を継承し,祭祀用の青銅器や金文を発達させたが,亀卜(きぼく)による神権政治から脱して,各征服地に血縁関係を持つ諸侯を封じ,礼秩序による政治体制をしき,勢力範囲は黄河流域から長江岸まで達した。前9世紀頃から諸侯の反抗が起こり,西・北方の非漢族の侵入が活発となった。犬戎(けんじゅう)は鎬京を攻略し,幽王が殺されたため,前770年平王(へいおう)は東都洛邑(らくゆう)に移って即位した。これ以前を西周,以後を東周と呼ぶ。以後周の王権は衰退し,諸侯が割拠興亡する分裂時代となった。西周の生産力は殷と大差なく,労働地代であったが,前6世紀頃から鉄製農具が普及して生産力が増すと,租税をはじめあらゆる面で氏族的社会秩序が崩れていき,強国の抗争,集権的統一国家の形成過程のなかで周は秦に滅ぼされた。・〔北朝〕北周 ・〔五代十国〕後周 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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