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淡路国(あわじのくに)

淡道国・粟路国とも。南海道の国。現在の兵庫県淡路島。「延喜式」の等級は下国。「和名抄」では津名(つな)・三原の2郡からなる。国府・国分寺・国分尼寺は三原郡(現,南あわじ市)におかれた。一宮は伊弉諾(いざなぎ)神社(現,淡路市)。「和名抄」所載田数は2650町余。古代には御食国(みけつくに)とよばれ,海人部(あまべ)による海産物の貢納が行われ,天皇の食膳の料を供える国とされた。738年(天平10)の正税帳や「延喜式」からも贄(にえ)の貢進が知られる。皇族の配流地とされ,淳仁(じゅんにん)天皇や早良(さわら)親王などが流された。鎌倉時代の守護は長沼氏,室町中期は細川氏で,戦国期には阿波国三好氏の勢力下にあった。1615年(元和元)徳島藩領となり,洲本(すもと)に城代として稲田氏をおいた。1871年(明治4)廃藩置県により兵庫県と徳島県に分割,76年全島が兵庫県に編入された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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