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在原業平(ありわらのなりひら)

生没 825~880.5.28 平安前期の歌人。六歌仙・三十六歌仙の1人。平城(へいぜい)天皇の皇子阿保(あぼ)親王の子。母は桓武天皇の皇女伊都(いと)内親王。五男で右近衛権中将なので在五(ざいご)中将とよばれた。行平(ゆきひら)は兄,子に棟梁(むねはり)・滋春(しげはる)ら。826年(天長3)在原の姓を賜った。「三代実録」の伝に「体貌閑麗(たいぼうかんれい),放縦(ほうしょう)にして拘(かかわ)らず,略(ほぼ)才学無く,善く倭歌(わか)を作る」とあり,美男で気まま,学才はないが,和歌を得意としたという。「古今集」仮名序に「在原業平は,その心あまりてことばたらず」と評されたように,情熱あふれる秀歌が多く,技法的にも古今歌風の先駆をなす。「古今集」に30首入集。「伊勢物語」は業平の歌に物語を付したもので,主人公を業平と同一視する後世の見方は誤りである。家集「業平集」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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